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2018年7月5日

第二十九回伊藤園お~いお茶新俳句大賞

海外55ヶ国分を含めた約195万作品の中から
大阪市の田島もりさん(83歳)が文部科学大臣賞に決定!

 

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、昨年113日から今年2月末日まで募集しておりました、「第二十九回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の入賞作品2,000句を決定いたしました。過去最多応募となった1,954,223句の中から見事、最高位賞である文部科学大臣賞に選ばれたのは、大阪府大阪市の田島もりさん(83歳) (※1)の作品「獅子舞の口へ太平洋の風」です。

【文部科学大臣賞】(応募総数1,954,223句)

獅子舞の口へ太平洋の風

田島 もり(たじま もり)さん  83歳  大阪府大阪市    

※「田島 もり」は俳号で、本名は田島 博子(たじま ひろこ)さんです。

この作品は、田島さんが三重県志摩に住んでいた頃、安乗(あのり)神社のしめ切り神事の獅子舞がユーモラスに口を開けていて、そこに太平洋から吹いた風が流れ込み、胴ぶるいをする情景を詠んだ句です。

1989(平成元)年に「お~いお茶」の発売と共にスタートした「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」は、入賞作品を商品パッケージに掲載すること、季語や五・七・五の定型等にとらわれず自由な感性で俳句を詠むというユニークさが特徴の、応募句数日本一(※2)の創作俳句コンテストです。これまでの累計応募句数は、3,370万句を超えました。二十九回目を迎えた今回は、俳人の安西篤さん、黒田杏子さん、星野恒彦さん、写真家の浅井愼平さん、作家・クリエイターのいとうせいこうさん、作家の宮部みゆきさん、日本語学者の金田一秀穂さん、ギタリストの村治佳織さん、女優の吉行和子さん、日本古典文学研究者のエイドリアン・ピニングトンさんといった各分野の第一人者である全10名による最終審査会を開催し、最高位賞である文部科学大臣賞を選出しました。

入賞作品2,000句の内訳は、文部科学大臣賞1句、6部門(小学生の部、中学生の部、高校生の部、一般の部A、一般の部B、英語俳句の部)の大賞6句、優秀賞44句、審査員賞10句、後援団体賞11句、都道府県賞240句、佳作特別賞1,688句です。本年8月下旬から順次、日本茶飲料「お~いお茶」シリーズのパッケージに掲載し、受賞者にプレゼントされます。

(※1)受賞者の年齢は、全て応募当時のものです。
(※2)月刊公募ガイド調べ 2017年10月13日現在。


第二十九回伊藤園お~いお茶新俳句大賞

文部科学大臣賞 

賞金:50万円
賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」、受賞作品掲載額、入選作品集「自由語り」

獅子舞の口へ太平洋の風

 田島 もり(たじま もり)さん 83歳 大阪府大阪市 
 

(作者より)
志摩安乗神社の「しめ切り神事」の獅子舞は、とてものんびりとユーモラスです。獅子が大口を開けると、太平洋からピューッと吹いた風が流れ込み、胴ぶるいをするのです。その情景を詠みました。

(選評)
獅子舞が獅子頭を脱いで太平洋の彼方を見つめています。一仕事終えて一息ついているところかもしれません。獅子頭は口を開けたまま風に吹かれているのでしょう。まるで獅子が太平洋の風をうまそうに吸っているかのように、英気を養っているところです。壮大な風景に、地球規模のエネルギーが押し寄せているような力強さが感じられます。獅子の目玉が、次第に輝きを帯びてくるようにも見えてきますね。

【作者プロフィール】

田島もり(たじま もり)さん  83歳 大阪府大阪市

田島もりさんは、俳句歴55年。新俳句大賞では、過去に2度の入賞入選歴があります。田島もりは俳号で、本名は田島博子さんです。お菓子の神様「田道間守」から名付けたそうです。ご主人が製菓会社に勤めていたこともあり、気に入って付けられたそうですが、ご主人は「神様の名前をつけるなんてけしからん」とおっしゃっているそうです。

この句は、三重県の志摩に住んでいた頃、安乗(あのり)神社の神事を見ていた際に詠んだ句。安乗岬は、天気の良い日は富士山も見えて太平洋からの風が吹く気持ちの良いところで、そこで行われる神事を見に行かれたそうです。獅子舞がユーモラスに口を開けていて、そこにピューッと風が吹いていた情景を詠んだのですが、見たままを詠んだため俳句らしくないと、どこにも発表しなかったそうです。

その後、大阪に戻ってから、この俳句を改めて見直したところ、俳句の持つ情景のスケールの大きさやイメージの鮮明さが「良いな」と感じられ、応募されました。

所属する結社「かつらぎ」の大小の句会、月34回の吟行会の他、自宅でも創作されており、毎月200句くらい俳句を詠まれているそうです。以前に出かけた思い出や、過去の俳句を見返して、季語を置き換えたりされての創作も行っているそうです。

1999年には三重県が主催する「祭の一句」で最優秀賞を獲得されています。

田島さんにとって、俳句は趣味を通り越して、生活の一部となっており、俳句を詠むことを健康の原動力にされていると感じました。

大賞

賞金:20万円
賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」、受賞作品掲載額、入選作品集「自由語り」

【小学生の部(幼児含む)】応募総数 558,854句 

午後三時はちみつ色の犬眠る

伊賀 風香(いが ふうか)さん 12歳 東京都世田谷区

(選評)
午後三時といえばおやつの時間です。学校から帰ってきたばかり。ちょうどお腹も空いてきて、甘いものが無性に欲しくなって来たところです。自宅の庭に暖かい陽射しがふりそそぎ、そこで愛犬が昼寝をきめこんでいます。庭全体がとろ~としたはちみつ色に見えてきて、甘い香りが匂い立つようです。お腹がかすかにクウ~と鳴いたような気がしました。思わず、「お母さん」と呼んで、おやつの催促をしたくなった、そんな昼下り。

【中学生の部】応募総数 446,932句

この川の名前も知らずさけ上る

近藤 之武(こんどう ゆきと)さん 13歳 東京都練馬区

(選評)
鮭は、川で生れて海へ行き、数年後成長してから、秋に川に戻ってきて産卵し、その一生を終えます。それは鮭の本能的な行動で、鮭にとって故郷の川とはいえ、その名前すら知りません。ここでわざわざ「この川の名前も知らず」というのは、人間からみてはかない一生を、哀れとも思うからでしょう。黙々と生き、黙々と使命を果たす鮭を、むしろ潔いとみたからかもしれません。

【高校生の部】応募総数 800,451句

年を越すわけのわからぬ達成感

田坂 岳(たさか がく)さん 16歳 東京都大田区

(選評)
旧年から年を越えて新しい年に移るとき、どうやら今年も無事に終わったなあという感じになりますね。とはいえ、この一年何をやったのかとなると曖昧で、はっきりとはいえません。作者はまだ十六歳ですからなおさらのことでしょう。でもなんとなく「やったあ」という達成感だけはあって、その感じを「わけのわからぬ」と云ってみたのでしょう。そしていつの間にか年を取る。作者にはまだ遠い先のことかもしれませんが。

【一般の部A(40歳未満)】応募総数 57,216句

聖なる夜息子に一つ嘘をつく

本間 一徳(ほんま かずのり)さん 34歳 北海道砂川市

(選評)
この場合の「聖なる夜」とは、クリスマスイヴのこと。聖母マリアがヨセフと結婚する前に、聖霊によって身ごもったことが明らかになった時とも言われています。俗世界ではあり得ないことが出来ちゃったわけですから、そんなときには、日頃息子に正直であれと説教していても、一つぐらい嘘をついても許されようと思う。隠しておきたい父親の秘密があるのでしょう。

【一般の部B(40歳以上)】応募総数 69,955句

梟(ふくろう)よ星のない夜は退屈か

茂原 朱美(もはら あけみ)さん 68歳 埼玉県越谷市

(選評)
梟は夜行性で夜目が利きますから、昼間は眠っていても夜は活発に動いて、野鼠や小鳥、虫などを捕らえます。だから星のない夜などは、かえって絶好の稼ぎ時のはずです。そんな或る夜、梟独特の鳴き声が聞こえてきました。あの「五郎助奉公、ぼろ着て奉公」と聞きなされている陰気な声です。その時、ひょっとして梟は退屈なのかなと思ったのでしょう。そこには作者自身の屈託のようなものがあったのかもしれません。

【英語俳句の部】応募総数 20,815句

I suddenly noticed
I'm able to touch
the high shelf
(訳)とつぜん気がつく/あの高い棚に/手がとどくんだ

堀之内 一棋(ほりのうち かずき)さん 15歳 大阪府大阪市

(選評)
伸び盛りの少年を生き生きと、具体的に実感させる句。衣服や靴が寸足らずで体に合わなくなるのは、誰でも気づき、平凡なことです。だが、踏み台の必要だった高い棚に、ある日手が届いたのは、本人の驚きと喜びが伴う発見です。誇らし気に物を取る様子も目に浮かび、若々しい希望に満ちています。英米人なら違うスタイルの英語になるかもしれませんが、いかにも日本人が真面目に勉強している英語表現で、好感がもてます。

※ 各受賞者の年齢は応募時のものです

「beyond2020」のロゴマーク

伊藤園お~いお茶新俳句大賞は、日本文化の魅力を発信するとともに、2020年以降を見据えたレガシー創出のための文化プログラム「beyond2020プログラム」として、 認証をいただきました。


文部科学大臣賞作品が掲載された「お~いお茶 緑茶」
文部科学大臣賞作品が掲載された「お~いお茶 緑茶」

 

<第三十回より「金子 兜太賞」新設>

「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の企画段階から様々な形でご協力いただき、第1回から審査員としても新俳句大賞を支えご尽力いただきました金子兜太先生が、平成30220日に永眠されました。

金子先生は、新俳句大賞を、「俳句という日本人にとって一番馴染みある形式で表現できる場を提供したことで、人々が潜在的に持っていた文化感覚を掘り起こし、その文化感覚の広がりが応募数に表れている」と評価いただいておりました。

また、新俳句大賞を通じて俳句文化の継承と、人々の文化感覚をより一層高めたい、その一端を担って欲しいというお気持ちを持ち続けられ、新俳句大賞の審査に最後まで携わっていただきました。

そこで、新俳句大賞としては、今年11月からスタートする記念すべき第三十回より、金子先生の御遺志を引き継ぐ賞として「金子兜太賞」を新設することにいたしました。

【新俳句大賞に対する金子兜太先生語録】

<第十二回懇親会>
新俳句大賞は、国民文芸として俳句が持っている文化性とお茶の持っている市民の生活に浸透している文化性が、うまく溶け合っているのが非常に強い力だと思います。

<第十六回懇親会>
いよいよ伊藤園の俳句は、本物になってきていると私は思います。現代俳句というのは、伊藤園を軸にできている。

<第十七回懇親会>
新俳句大賞は日本の文化感覚を広めたと思います。俳句という一番馴染みやすい形式を通じて、今まで潜んでいてなかなか日常生活では出せなかった、一般の人の感覚を掘り起こした、俳句で表現できるようにしたと。

<第二十二回講評>
あとしばらくすると、「俳句の現在の姿は新俳句だよ」と、確信を持って言われるようになるだろう。

<第二十八回最終審査会>
私の長い俳句人生を顧みても、これだけ本当の意味で影響力のある俳句イベントは、他にないと思います。審査員を務めている他の大会は、季節が過ぎるように忘れてしまいますが、新俳句大賞は違いますね、思い入れがあります。
新俳句大賞は、森澄雄もそうだったが、生きているうちは審査員をやり続けたいと思います。

参考】
伊藤園お~いお茶新俳句大賞について

企画誕生の背景
伊藤園が世界で初めて緑茶の缶飲料化に成功し、発売5年目にあたる1989(平成元)年は、松尾芭蕉の「奥の細道」300周年ということもあり、俳句が静かなブームを呼んでいました。また前年には俵万智氏の「サラダ記念日」の販売部数が260万部になり、カルチャーセンターでもこの頃から俳句、短歌の人気が高まり、伝統的な短詩形文学の世界に新たな関心が寄せられました。しかし、多くの方々は初心者ということもあって作品発表の機会がほとんどなく、発表したいという想いが強まっていました。そこで日本文化が育んだ緑茶を扱っている伊藤園が、伝統的な日本文化である俳句の一般愛好者に貢献できないか…ということで企画の検討が始まりました。 

企画のコンセプト1
俳句は、独自の細かい約束ごと(季語、定型など)が重んじられます。しかし、この約束ごとを満たさなくても素晴らしい句はたくさんあります。約束ごとにとらわれない表現は初心者が取り組みやすいと同時に、ベテランと同じ土俵で「表現力」を競い合うことが出来ます。こうして、創作上の制限をできるだけ省き、五・七・五のリズムで自由に表現する「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」が誕生しました。従来の俳句の作風にとらわれず、広く新しい視点で審査を行うために、俳句の第一人者に加え、写真、演劇、文学…といった様々な分野の方々に審査をお願いしております。

企画のコンセプト2
伊藤園の「お~いお茶」は、全国で多くの方々に愛飲されており、そのパッケージは、メディアとしても活用できます。1989(平成元)年に誕生した「お~いお茶」は、いつでもどこでもおいしい緑茶を飲んでいただこうと開発した、伊藤園の日本茶飲料ブランドであり、創作上の制限を設けない「新俳句」は「お~いお茶」にふさわしいものだと考えました。短文表現の発表の場として、自社製品のパッケージを開放することは現代にマッチした新しい文化活動であると考えております。 

新俳句大賞の反響と貢献
第一回に41,373句であった応募作品数は、今回で累計応募総数が3,370万句を突破いたしました。新俳句の大きな特徴の一つに、初めて俳句を創作した方からの応募が多いことが挙げられます。同時にベテラン俳人にとっても、新俳句大賞は、「俳句の新しい楽しみ方ができる場」として定着してきたようです。
最近では、俳句を取り上げたテレビ番組が人気になるなど、これまで俳句との接点が少なかった中高生や、若い世代の俳句への関心が高まっているほか、教育現場でも日本文化の継承として俳句創作が定着しつつあります。第二十九回は、国内の小学校932校、中学校831校、高校1,036校、合わせて2,799校からご応募を頂きました。ちなみに、全国の高校のうち、5校に1校以上の学校が新俳句大賞に取り組んでいただいていることになります。
さらに、「お~いお茶」は、日本のみならず世界の方々に愛飲されております。新俳句大賞への海外からの応募は累計83カ国に及び、“HAIKU”としても注目されております。今後、世界のティーカンパニーを目指す伊藤園は、海外において日本の伝統飲料・緑茶の発展と、同じく日本の伝統文化である俳句を通して日本文化を守り、広く社会につたえていきたいと考えております。

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