茶農業では、その他の日本農業と同様に後継者不足などの課題により、栽培面積や生産量の減少が続いています。伊藤園は、日本の荒茶生産量のうち約4分の1を取り扱うお茶のリーディングカンパニーとして、原料の安定調達と持続可能な茶農業の発展に貢献する取組みを積極的に推進しています。1976年に立ち上げた「茶産地育成事業」を通じて、生産者である茶農家やJA(農協)等の協力企業、自治体、国との関係性を強固にすることで、持続可能な農業の発展に貢献します。
原料の安定調達と持続可能な茶農業の発展に貢献
多様化する緑茶の飲まれ方、
その一方で減り続ける茶園
伊藤園が1985年に「缶入り煎茶」(1989年「お~いお茶」にブランド変更)を発売して以来、緑茶は急須でいれて飲むだけでなく、缶やペットボトルなどに入った飲料としても飲まれるようになりました。茶葉製品のみであった緑茶に飲料製品が加わり、全体の消費量は今後も増加が見込まれます。
ところが、そんな消費の拡大とは反比例するように、茶葉の生産現場では就農人口、茶園面積ともに減少傾向にあります。原因として、就農者の高齢化や後継者問題、相場の乱高下による経営不安などが挙げられ、さらには、地域によって荒廃農地の増加が深刻な問題となっています。
茶産地育成事業の特長
茶産地育成事業では、良質な茶葉を安定的に調達するために、茶農家や行政と協力して、荒廃農地などを活用して茶畑からお茶づくりに取組んでいます。
各地の茶農家から茶葉を全量買い取りする”契約栽培“と、荒廃農地などを大規模な茶園に造成して茶葉を生産する “新産地事業“を推進しています。
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大規模茶園経営
スケールメリットを活かした
経営を基本とします -
機械化による省力管理
栽培管理は可能な限り機械化を図り、
労力の効率化を行っています -
伊藤園独自の生産技術の導入
茶葉の生産、荒茶の加工に対して
伊藤園独自の技術ノウハウを提供します -
契約取引
全量を一定価格で取引することより、
茶農家収入が安定します
茶産地育成事業が生みだす価値
肥料・農薬の適正な使用基準を設け、生産性と環境保全を両立させた施肥、防除体系の確立をめざし、茶農家の方々に技術指導・情報提供を行っています。
茶産地育成事業の展開推移
茶産地育成事業の主な成果
- 荒廃農地等を茶園に造成
- 従業員平均年齢(新産地※1)
- 10aあたり労働時間(新産地※3)
- GAP認証取得率※5