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戸張捷ゼネラルプロデューサーのラウンド解説

第40回 伊藤園レディス Final Round ~最終日を終えて~

第40回伊藤園レディスは無事に終了し、まさに大熱戦、大接戦の試合展開となりました。

結果は、山内日菜子が2日目、最終日とノーボギーと、素晴らしいパフォーマンスを見せて優勝を飾りました。山内は昨年、自身の故郷である宮崎で行われたアクサレディースで初優勝を果たしており、今回もその実力を証明しました。最終日には67ストロークの5バーディノーボギーでトータル-14アンダーを記録し、見事に優勝を勝ち取りました。

試合は終盤まで目が離せない展開で、安田祐香が追い上げを見せ、辻梨恵が初優勝を狙って奮闘し、全美貞が7年ぶりの優勝を目指して戦いましたが、山内が見事な逃げ切りを見せ、優勝を手にしました。

特に印象的だったのは17番のパー3で、200ヤード近い難しいホールでした。多くの選手がティーショットをグリーンエッジにこぼしましたが、山内はそこから十数メートルのアプローチを直接決めてナイスバーディを取りました。この一打が彼女の勝利を決定づけたと言えるでしょう。その直前の16番で辻がバーディを奪い、プレッシャーをかけていましたが、山内が冷静に対応しました。

また、この試合の結果により、山下美夢有が4位タイとなった為、竹田麗央の年間女王が確定しました。竹田は予選落ちでしたが、この結果により年間女王が決まった形です。

アマチュアでは、15歳の岩永杏奈が見事トータル3アンダーの39位にフィニッシュし、ベストアマチュアの栄誉に輝きました。将来はプロとして戻ってくる姿が期待されます。

大会最終日には4,000人を超えるギャラリーが訪れ、17番、18番はギャラリーで埋め尽くされ、大変な熱気に包まれました。最後には株式会社伊藤園代表取締役社長 本庄大介が力強いスピーチを行い、「来年も素晴らしい大会が開催できるように一層の努力を重ねてまいります。ぜひ皆さん見に来てください」との呼びかけで大会は締めくくられました。

今年の伊藤園レディスは、大きな盛り上がりと感動をもたらした素晴らしい大会でした。

第40回 伊藤園レディス 2nd Round ~2日目を終えて~

第40回伊藤園レディスの2日目が終わりました。2日間の予選を終えて2アンダー142ストロークの選手が決勝ラウンドに進出しました。

今年のトーナメントでは、多くの実力者が予選落ちするという波乱がありました。木戸愛は惜しくも予選落ち、TOTOレディスで活躍した脇元華や宮田成華、藤田かれん、宮里美香も予選落ちになりました。さらに永久シード選手の不動裕理も残念ながら予選落ちとなってしまいました。横峯さくらや阿部未悠も予選通過はならず、上田桃子は今年限りでの引退を表明し、66位で予選落ちしました。臼井麗香、菅沼菜々、小祝さくらも苦戦しトーナメントから姿を消しました。大山志保は2年5か月振りの復帰戦となりました。足の痛みで長く休養を余儀なくされていた彼女は、残念ながら予選落ちしましたが、久しぶりの復帰に観客から温かい拍手が送られました。感極まる場面もあり、鈴木愛と抱き合い涙する姿が見られました。彼女の復帰は多くのファンを感動させました。

最終日の明日は全美貞、辻梨恵、安田祐香が最終組です。安田は優勝経験がありますが、前回短縮競技での優勝となったので、今回54ホールでの優勝を目指します。辻はマンデートーナメントからの出場で10アンダー、全美貞は安定したプレーで同じく10アンダーのトップ争いに加わっています。

注目の選手としては、森田遥と山下美夢有が7アンダーで優勝を狙える位置にいます。岩井明愛や藤田さいきなどベテラン勢も奮闘し、伊藤園所属の大里桃子は4アンダーで健闘中です。

JLPGAツアー史上最長で難易度の高い17番ホールのパー3は225ヤードのセッティングとなり、プロがどんなクラブの番手を持つか注目されました。ドライバー、3W、UTと様々な攻め方を見る事が出来て、ギャラリーの皆さんも楽しめたかと思います。なんとバーディを奪った選手はたったの6人で予想通り難易度が高いホールとなりました。

明日、最終日はいよいよ第40回のチャンピオンが決まります。誰が優勝するか分からない展開になっていますので、お近くの方はぜひ現地トーナメント会場に足を運んでプロに声援を送って頂ければと思います。

第40回 伊藤園レディス 1st Round ~1日目を終えて~

今年で40回目を迎える伊藤園レディスゴルフトーナメントの初日が終了し、トップに立ったのは北海道出身の24歳政田夢乃。身長154センチと非常に小柄ながら、切れ味の鋭いスイングで素晴らしいプレーを見せました。

2位には安田祐香がつけており、アマチュア時代からも強さを見せている選手で、細身ながらも飛距離を出せるのが特徴。今年は念願の初優勝を果たしており、今シーズン2勝目を目指して好調なプレーとなりました。

3位タイには上野菜々子と辻梨恵が並んでいます。辻はマンデートーナメントを3アンダーで通過して本戦に出場しており、現在メルセデス・ランキング95位と下位にいるものの、今回の優勝でシード権を獲得することが可能となります。もし、優勝を逃した場合は、再びQT(クオリファイングトーナメント)に臨むことになります。少しでも上位でトーナメントを終えたいところです。

メルセデス・ランキング上位争いでは、首位の竹田麗央が初日4オーバーの76ストロークで低迷し、予選通過が厳しい状況にあるため、2位の山下美夢有にとってはメルセデス・ランキングポイントを縮めるチャンスが巡ってきている。仮に竹田が予選を落ちたとしても、山下が単独4位以下になると、竹田の年間女王が確定してしまう為、山下は何としても阻止したいところです。

各選手がそれぞれの思いや状況を抱えて臨む2日目も、熾烈な戦いをお楽しみください。

第40回 伊藤園レディスゴルフトーナメント開幕に向けて ~今大会の見どころ~

今年で第40回大会の伊藤園レディスがいよいよ開幕します。39年前にこのトーナメントが始まったのが、リバー富士カントリークラブ、静岡県のゴルフ場でした。第1回目の優勝がト阿玉でした。第10回大会からグレートアイランド俱楽部に舞台を移し、昨年の第39回大会は西郷真央が優勝しました、今年の第40回記念大会は誰が優勝するか楽しみです。

11月4日の月曜日にはマンデートーナメントが行われ7名の選手が通過し、プロ2名、アマチュア5名が本戦に進みました。通過したアマチュアの選手の活躍もご期待ください。

今回の注目ポイントとしては、コースの距離です。今回の伊藤園レディスのトータルヤーデージは6,769ヤードとなり、これはJLPGA史上4番目の長さになります。2024年日本女子オープン6,845ヤードがツアー最長で、2022年これも日本女子オープンが2位、2023年のワールドレディスが3位、公式戦以外の公認競技では今回の伊藤園レディスが最長となります。また大会17番パー3は、225ヤードでこちらはJLPGAツアーではパー3としては最長距離になっています。この長いパー3を最近飛距離が伸びている女子プロが左に引っかけると池、右にはバンカーがあるホールどう攻めていくか、こちらも注目してください。

また年間女王争いにも注目されます。今シーズン8勝の竹田麗央が一歩リードしていますが、それと追いかける2位の山下美夢有。残り3試合でどこまで詰められるか、それとも竹田が引き離すか目が離せません。メルセデス・ランキング50位以内に与えられるシード権争いも白熱していて、ランキング45位から55位くらいまでの選手は、この伊藤園レディスで一つでもランキングを上げていきたいところです。

季節外れの暖かさから、すっかり秋めいてきた季節になった伊藤園レディスが開幕します。見所がたくさんありますので、ぜひグレートアイランド俱楽部にお越しになってお楽しみください。お待ちしております。

第40回 伊藤園レディスゴルフトーナメントの注目ポイント

昨年の「伊藤園レディス」は天候に恵まれないなか、3日間で1万人を超えるーー降雨のなかった土曜日は5,200人余りものーーギャラリーの皆さんが来場されました。シーズン終盤、見どころがいっぱい詰まったこの大会ですが、毎年多くのギャラリーがストレスなく観戦できる環境を支えているのが、ボランティア組織「伊藤園グリーンクラブ」のスタッフです(今年は、延べ1,000人が参加予定)。

この組織が創設されたのは20年余前です。無償で大会運営を支え、チャリティに貢献するボランティアの存在は、大会と地域の活性化に欠かせないとの考えから、組織化を図ったものです。私は毎年、ボランティアリーダーたちとのミーティングを行っていますが、最近は活動に対する質問はほとんどない。つまりそれほど自主的に活動する組織になったことをとても誇らしく思っています。

さて、トーナメントについてですが、このところは今や世界で活躍するプレーヤーの優勝が続いています。それは、有力選手たちがこの大会を「シーズンを締めくくる大事な一戦」と考え、全力を振るっているからでしょう。

その選手たちの力量は近年、目覚ましく進化しています。実は、それに対応して私たちもコースセッティングをよりタフに講じています。例えば、グリーンの硬さ。ひと昔前まで、コンパクションの数値は20以上でしたが、今は22程度まで上げ、硬くしています。

また、ホールの距離も長くなっています。トータル距離を比べると、10年前の2014年は6,639ヤード設定でしたが、今年は6,769ヤードです。そのなかで名物ホールの17パー3は、今年はさらに後ろのティーを使用。昨年までの197ヤードから225ヤードに延長しています。左サイドに池が広がるグリーンを、選手たちがハイブリッドやフェアウェイブリッドでどう攻略するのか。大きな見どころでしょう。

ギャラリーの皆さんには、今年の大会も存分に楽しんでいただければ幸いです。

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