「茶殻入り抗菌マスクケース」株式会社山佳化成と共同開発

衛生的にマスクを保管。茶殻をリサイクルした「茶殻入り抗菌マスクケース」

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、株式会社山佳化成(社長:山佳慶秀 本社:大阪市平野区)と共同で、当社独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用した、抗菌・消臭効果のある「茶殻入り抗菌マスクケース」を開発しました。入室時や食事時に外したマスクや予備のマスクを衛生的に保管できるため、マスクの需要が高まる風邪や花粉が気になる季節におすすめのケースです。

「茶殻入り抗菌マスクケース」は、茶殻と銀イオンを樹脂に混ぜることにより、大腸菌、緑膿菌のほかさまざまな菌種に対して抗菌効果があります。また、マスクケース5個当たり「お~いお茶」500mlペットボトル約2本分の茶殻を配合し、樹脂原料の使用量削減につなげています。さらに、茶殻には植物として吸収した二酸化炭素が炭素分として固定されるため、「茶殻入り抗菌マスクケース」にも50個あたり約144g-CO2(※)の茶殻由来の炭素分(二酸化炭素換算)が固定される計算になります。
(※)ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業㈱製)により炭素量を測定

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《茶殻に新しい生命を与える伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム」》
当社では「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の売上拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加しています(2012年度の排出量は約49,000トン)。そうした中、「環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究に取り組み、茶殻の抗菌・消臭効果を利用した製品(畳、せっこうボード、ベンチ、ボールペン、タイルなど)や紙原料削減につながる製品(名刺や紙ナプキン、封筒、カレンダーなど)に有効活用する、伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム」を開発しました。このリサイクルシステムは、当社独自の技術によって製造工程において、含水率の高い茶殻を乾燥させずにそのまま有効活用することを可能としています。このような取り組みが評価され、当社は「第2回エコプロダクツ大賞(エコサービス部門) 農林水産大臣賞(2005年)」をはじめ、「第20回地球環境大賞 環境大臣賞(2011年)」、「リデュース・リユース・リサイクル等功労者表彰 農林水産大臣賞(2013年)」など数々の賞を受賞しています。

一方、(株)山佳化成は、プラスチック製品の製造メーカーとして工業部品、化粧品容器から日用品までさまざまな樹脂成型品を生産しています。「茶殻入り抗菌マスクケース」は、「茶殻入り足つぼ健康ボード」に次ぐ、伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」を活用した(株)山佳化成との共同開発製品です。今後も、茶殻の機能性を活かした茶殻入り樹脂成型品のラインアップを増やしていく予定です。
当社は、今後ともこのような身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組みます。

【参考】


≪「茶殻入り抗菌マスクケース」の抗菌試験結果≫

菌名 菌数(CFU/枚)
0時間 24時間後
コントロール サンプル
大腸菌 1.0×105 1.1×107 <10(検出せず)
緑膿菌 1.6×105 2.7×106 <10(検出せず)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) 2.0×105 2.0×105 <10(検出せず)
肺炎桿菌 1.4×105 1.6×107 <10(検出せず)
白癬菌 1.1×105 1.3×105 <10(検出せず)

試験方法: 「茶殻入り抗菌マスクケース」に使用する樹脂(茶殻と銀イオンをPP樹脂に混練したもの)を板状に成型して5cm×5cmの試験片にカットして抗菌試験に用いました。試験片を1/500普通ブイヨンに24時間浸漬した後、「抗菌製品技術協議会のフィルム密着法」に従い、試験片の表面に1/500普通ブイヨンで調製した菌液を滴下し、フィルムで密着させ35℃にて24時間保存後、試片上の菌液について生菌数を測定しました。なお、本配合は「茶殻入り足つぼ健康ボード」にも採用しています。CFUとは、Colony Forming Unit(コロニーフォーミングユニット)の略称で菌量の単位を示します。