ガレート型カテキン含有飲料の女性における 体脂肪低減作用を確認

第64回日本栄養・食糧学会大会で発表

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)の中央研究所は、ガレート型カテキン含有飲料の飲用による女性における腹部内臓脂肪面積の低減作用を確認し、この内容を5月21日(金)~23日(日)にアスティ徳島(徳島市)において開催される第64回日本栄養・食糧学会大会で発表します。

【研究の背景・目的】
当社では、緑茶の主要な成分であり、さまざまな保健作用が報告されるカテキンの研究を進めています。中でもガレート型カテキンの有効性に注目しており、2008年よりLDL(悪玉)コレステロールを低減する特定保健用食品を販売しています。また、ガレート型カテキンが脂肪の消化酵素である「リパーゼ」を阻害し、ヒトにおいて食事中の脂肪の吸収を抑制し、体脂肪低減作用を示すことを報告しています。
しかしながら、これまで実施した試験においては若年女性では安全性を考慮し、CT検査による腹部脂肪面積の測定を実施しておりません。そこで、今回、安全性に十分配慮した上で幅広い年齢層の女性を対象とし、女性において体脂肪低減作用が示されるかを検討しました。

 

【研究の詳細】
試験は、予備検査において23≦BMI<30を示す成人女性41名を無作為に2群に分け、ガレート型カテキン含有飲料(1本340ml当たり茶カテキンを196.1mg含み、その約90%がガレート型カテキンである飲料)または茶カテキンをほとんど含まない対照飲料を、12週間にわたり食事とともに1日2本(朝食、夕食時)飲用していただきました。飲用期間中は、4週間ごとに身体計測、血液検査、医師による問診を行いました。また飲用期間開始前と、12週間後にCT検査による腹部内臓脂肪面積の測定を行いました。

 

【ガレート型カテキン含有飲料飲用による腹部内臓脂肪面積への影響】

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●…対照飲料飲用群
○…ガレート型カテキン含有飲料飲用群
**…飲用開始前との比較における有意差
#…対照飲料飲用群とガレート型カテキン含有飲料飲用群との比較における有意差

試験期間中に3名が自己都合により参加を辞退し、38名が試験を完了しました。その結果、ガレート型カテキン含有飲料を12週間飲用することにより、飲用開始前と比較して有意な腹部内臓脂肪面積の低減が認められました。また、対照飲料飲用群との比較においても有意な低下が示され、ガレート型カテキンの体脂肪低減作用が示されました。
さらに、ガレート型カテキン含有飲料を飲用することにより、冠動脈疾患の新たな指標とされるsd-LDLが飲用開始前と比較して有意に低下し、LDLの質的改善が示唆されました。
以上の結果より、ガレート型カテキンは女性においてメタボリックシンドロームのもっとも上流に位置する内臓脂肪の蓄積を抑制することから、メタボリックシンドロームの予防に有用であることが再確認されました。

sd-LDL・・・小粒子・高密度低比重リポ蛋白(small dense low density lipoprotein;sd-LDL)のことで、悪玉コレステロール(LDL)の一種。名前の由来のごとく、LDLのなかでは粒子サイズが小さく、高密度のLDLで、最近、動脈硬化性疾患、または虚血性心疾患の危険因子として注目される。