株式会社伊藤園(社長:本庄八郎 本社:東京都渋谷区)の中央研究所は、ガレート型カテキン配合飲料の飲用による腹部内臓脂肪面積の低減作用を確認し、この内容を10月4日(土)にグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)において開催されたJDDW2008(2008年度日本消化器関連学会週間)で発表しました。
【研究の背景・目的】
近年、緑茶の主要成分で、渋みの成分でもあるカテキンについて、さまざまな有効性が報告されています。当社中央研究所では、カテキンの中の「ガレート型」と呼ばれるカテキン(「ガレート型カテキン」)の血清コレステロール低下作用を、既に複数のヒト試験において確認しています。
さらに現在、社会的な注目を集めている「メタボリックシンドローム」に対する予防効果についての研究に取り組んでいます。メタボリックシンドロームとは、腹部内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常のうち2つ以上を合併した状態です。そこで今回は、メタボリックシンドローム発症の基礎となる腹部内臓脂肪の低減に対するガレート型カテキン配合飲料の有用性について検討しました。
【研究の詳細】
試験は、総コレステロールが200~260mg/dL、BMIが23~30を示すコレステロールが高めの肥満ぎみ成人男女73名を無作為に2群に分け、ガレート型カテキン配合飲料(1本250ml当たりガレート型カテキンを169.7mg含有する飲料)または対照飲料(1本250ml当たりガレート型カテキン2.8mg含有)を、12週間にわたり食事とともに1日2本(昼、夕食時)飲用していただきました。飲用期間中は、4週間ごとに身体計測、血液検査、医師による問診を行いました。また飲用期間開始前と、8週間後、12週間後にCT検査による腹部内臓脂肪面積の測定を行いました。
その結果、40歳未満女性7名を除く(※)66名について、ガレート型カテキン配合飲料を飲用することにより、飲用期間開始前と比較して、8週間後、12週間後に、有意な腹部内臓脂肪面積の低減が認められました。また、先に確認している血清コレステロールの低下についても再現することが確認されました。
※40歳未満女性については、安全性を考慮してCT検査による腹部内臓脂肪測定を行わなかった
ガレート型カテキン配合飲料の飲用で、メタボリックシンドローム発症の基礎となる腹部内臓脂肪の低減が確認されたこの研究により、ガレート型カテキン配合飲料によるメタボリックシンドロームの予防効果が期待されます。