茶殻をリサイクルした「茶殻入りパレット」を共同開発

株式会社ウッドプラスチックテクノロジーと日本パレットプール株式会社と共同開発

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、株式会社ウッドプラスチックテクノロジー(社長:中山東太 本社:東京都文京区)、日本パレットプール株式会社(社長:有田栄一 本社:大阪府大阪市)と共同で当社「お~いお茶」の茶殻を活用した「茶殻入りパレット」を開発いたしました。「茶殻入りパレット」は、「エコT‐パレット」というブランド名で2014年9月より当社の「お~いお茶」などの原材料を飲料工場へ運搬する際のパレットなどに順次使用いたします。

「茶殻入りパレット(エコT‐パレット)」は、「お~いお茶」を製造した後の茶殻を「ウッドプラスチック(※1)」に配合することで、「茶殻のリサイクル」「天然素材である木質の利用」「プラスチックの使用量削減」を実現した環境に優しいパレットです。1枚あたり「お~いお茶」525mlペットボトル約100本分の茶殻を配合することにより、約994g-CO2(※2)の茶樹由来(※3)の炭素分(二酸化炭素換算)が固定されています。また、曲げ強度が強く、温度による変形(寸法変化)が少ないため、長期間繰返し使用する用途に適しています。

(※1)安藤直人氏(東京大学大学院教授、㈱ウッドプラスチックテクノロジー顧問)が開発したプラスチックと木質繊維を複合化したハイブリッド材料。
(※2)ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業㈱製)により炭素量を測定。
(※3)茶殻には茶樹が植物として吸収した二酸化炭素が炭素分として固定されています。

 

当社では「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の売上拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加しています(2012年度の排出量は約49,000トン)。そうした中、茶殻を環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究に取り組み、茶殻をリサイクルした製品(畳、せっこうボード、ベンチ、折りたたみイス、タイルなど)や紙原料削減につながる製品(名刺や紙ナプキン、封筒、カレンダーなど)を開発するなど、独自のリサイクル技術『茶殻リサイクルシステム』を確立しています。茶殻リサイクルシステムは、製造工程において含水率の高い茶殻を乾燥させず、そのまま有効活用(リサイクル)する特徴をもっています。このような取り組みが評価され、当社は2005年に「第2回エコプロダクツ大賞(エコサービス部門) 農林水産大臣賞」を、2011年には「第20回地球環境大賞 環境大臣賞」を受賞するなど様々な分野で高い評価をいただいております。

一方、㈱ウッドプラスチックテクノロジーは、2008年の会社設立当初から地域(岡山、鳥取)の森林資源(バイオマス)を利活用することを目的として、新素材「ウッドプラスチック」を使用した産業資材の開発に取り組んでいます。

また、日本パレットプール㈱は、「人と地球に優しいEco-Logistics企業をめざします」という経営理念のもと、資源のムダを排し、自然保護問題に貢献するレンタルパレットなど環境に優しいレンタル商品の開発に取り組んでいます。

今後も「茶殻入りパレット(エコT‐パレット)」のラインアップを増やして、自社活用ならびに販売も含めた様々なシーンに展開していく予定です。また、当社では『茶殻リサイクルシステム』のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えのもと、身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることで、社会において「茶殻=有用資源」という意識付けに役立ててまいります。