茶殻配合シート装着型 自動販売機の設置を推進

抗菌消臭効果・ヒートアイランド現象緩和効果のある「茶殻配合シート」を開発 病院などの屋内や環境・景観を考えた屋外向けに設置を推進します

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、珪藻土シートの基本特許技術を有する株式会社ワンウィル(社長:山本倍章 本社:神奈川県横浜市)とサンロック工業株式会社(社長:竹中洋二 本社:大阪府大阪市)と共同開発した製品「茶殻配合シート」を装着した環境配慮の自動販売機「茶殻配合シート装着型 自動販売機」の設置を推進します。

▼開発経緯
2012年11月に当社と横浜市で締結した『地域活性化に関する包括連携協定(※1)』の取り組みのひとつである「当社が独自に開発した茶殻リサイクルシステムを、横浜市内中小企業の新製品の開発等に結びつける企業間連携」のもと、「横浜ものづくりコーディネート事業(※2)」をきっかけに共同開発をしました。

▼茶殻配合シート
カテキンなど緑茶成分由来の抗菌消臭効果や、凹凸や微細孔によるヒートアイランド現象の緩和効果があります。この「茶殻配合シート」を当社の自動販売機に装着し、衛生面への意識が高い病院・介護施設などの屋内向けや、環境・景観を考えた屋外向けに、環境配慮の「茶殻配合シート装着型 自動販売機(1台あたり「お~いお茶」525mlペットボトル約160本分の茶殻をリサイクル)」として設置を開始しました。


横浜情報文化センター(横浜市)に設置された「茶殻配合シート装着型 自動販売機」

当社では「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の販売拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加しています(2015年度の排出量は約56,000トン)。そうした中、茶殻を原材料の一部に使用し、畳や建材、樹脂製品、さらには「お~いお茶」のペットボトル用段ボールまで、これまでに約100種類の茶殻リサイクル製品を開発しており、独自の技術「茶殻リサイクルシステム」を確立しています。
今後も、「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えのもと、身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、「茶畑から茶殻まで」の一貫した環境経営を行うことで、本業を通じた社会貢献活動の輪をより一層広げてまいります。

(※1)  地域活性化のためにキャリア支援や環境保全、防災、食育など、相互の連携を強化し、横浜市における市民サービスの向上、等について取り組む包括連携協定。
(※2)  「公益財団法人 横浜企業経営支援財団」が推進する、ものづくりに関連する市内中小企業が、新分野進出、新製品開発等を行う際に必要となる大企業や中小企業等との連携や共同開発などをコーディネートする事業。

【参考資料】
▼ヒートアイランド現象緩和効果
茶殻配合シートは表面に凹凸があり、かつ微細孔を形成しています。この凹凸・微細孔により通常の鉄板に比べて温度上昇抑制が期待できます。また、これら凹凸・微細孔には水が取り込まれますが、これら水は徐々に蒸発するため、打ち水効果が期待できます。

 

 

 

 

 

 

塗装鉄板と茶殻配合シート貼付鉄板の表面温度比較(第三者機関にて測定)
試験方法:サンプルをスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製)に設置後、放射照度120W/m2の光を照射し表面温度を測定(夏至の日の出~日の入り(約14.5時間)を想定して照射)


▼抗菌効果

菌名 菌数(CFU/mL)
0時間 18時間後
コントロール 茶殻リサイクルシート
大腸菌
(Escherichia coli)
1.2×105 7.1×108 <100(検出せず)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(MRSA)
1.3×105 2.6×107 7.0×103
サルモネラ
(Salmonella enteritidis)
1.1×105 1.3×108 <100(検出せず)
白癬菌
(Trichophyton mentagrophytes)
1.0×105 9.3×104 <100(検出せず)

試験方法:茶殻配合シートを「JIS L 1902:2002 菌液吸収法」に従い、菌液(大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、サルモネラ菌、白癬菌)を接種し、37℃・18時間保存後、生菌数を測定


試験方法:茶殻配合シート(20 cm×20 cm)と各ガス(アンモニア、酢酸)をバッグに封入し、検知管法により2時間後の各ガスの濃度を測定