株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、10月26日(木)、プラチナ大賞運営委員会(委員長:増田寛也氏)とプラチナ構想ネットワーク(会長:小宮山宏氏)が主催した「第5回プラチナ大賞 最終審査発表会・表彰式」において、耕作放棄地などを活用して新たに大規模な茶園に造成し、「お~いお茶」専用茶葉などの茶葉を生産していただく当社の取り組み「茶産地育成事業(新産地事業)」に対して、「大賞」および「経済産業大臣賞」を受賞しました。
▼プラチナ大賞について
イノベーションによる新産業の創出やアイデアあふれる方策などにより社会や地域の課題を解決している自治体や企業などの取り組みを賞というかたちで称え、これらをプラチナ社会(※)のモデルとして紹介することにより、更なる広がりに繋げることを目的としています。第5回である今回は、全国の自治体や企業等46団体から応募があり、1次審査によって選ばれた10の取り組みについて、首長や企業の経営トップ等が発表をしました。
(※)我が国が直面している人口減少、高齢化、エネルギー問題などは、物質的な豊かさを達成した先進国ならではの課題であり、その「課題先進国」の我が国が課題解決をして目指す社会のこと。
【ご参考】プラチナ構想ネットワークホームページ http://www.platinum-network.jp/
▼茶産地育成事業について(https://www.itoen.co.jp/csr/cultivate/)
国内では耕作放棄地や農家の後継者不足が深刻な問題となっています。茶は土地利用型の永年作物であり、将来の市場性とあわせて考えると、農地を長期活用できる作物として最も好適なもののひとつです。そこで国産緑茶(荒茶)生産量の約4分の1を扱う当社は、“高品質な国産緑茶原料の安定調達、および生産の効率化”“生産農家の育成”“耕作放棄地の積極的な活用”のために、地元の行政、事業者、茶農家(農業生産法人)の方々とともに「茶産地育成事業」に取り組んでいます。
当社はグループ経営理念「お客様第一主義」のもと、5つの製品開発コンセプト(自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい)に基づき、お客様に満足いただける製品開発を目指しています。また、地元の行政、事業者、茶農家(農業生産法人)などとの協働により「茶畑から茶殻まで」の当社独自の一貫体制を構築し、持続可能な生産と消費のビジネスモデルを追及しています。今後も、日本を代表するお茶のリーディングカンパニーとして、耕作放棄地の活用など持続可能な農業モデル「茶産地育成事業」を推進し、社会や地域の課題の解決に貢献する積極的な事業展開を行うことで、プラチナ社会の形成に取り組んでまいります。
第5回プラチナ大賞 最終審査発表会 <発表内容のポイント>
テーマ:『茶産地の育成を支援する「茶産地育成事業(新産地事業)」~遊休農地を茶の産地に~』
<新産地事業を展開する大分県の茶園>
・社会的ニーズへの対応:
日本の農業は様々な課題をかかえている。課題分析から伊藤園の事業を通じた解決策を探り、茶産地育成事業(新産地事業)を展開。あわせて地域活性化への寄与も狙いとする。
・独自のビジネスモデルによる創造性・革新性:
新産地事業は、独自のビジネスモデルで、価値を創造し、社会課題に対応。社会的ニーズに対し本業を通じて解決を目指す「共有価値の創造(CSV)(※)」が求められている。生産者、地域社会、当社の間で「Win-Win-Win関係」を構築する仕組みは、ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授の提唱する「共有価値の創造」の考えを参照。日本的に言えば、「三方よし」の仕組み。
(※)CSV(Creating Shared Value):共有価値の創造。企業が事業活動を通じて社会的課題と経済的課題の同時解決を目指す考え方。
実効性をもって価値創造につなぐ茶産地育成事業:
「茶産地育成事業」を通じて高品質な国産緑茶原料の安定調達や生産の効率化などに取り組んでおり、その茶園総面積は1,200ヘクタールを超えています(2017年4月末)。茶畑づくりから始める“新産地事業”は、九州5県7地区にて実施しており、“契約栽培”と“新産地事業”を合わせた「茶産地育成事業」の茶園総面積を2018年4月末に1,400ヘクタール、そして将来的に2,000ヘクタール規模を目指していきます。
持続可能な事業 持続可能性の共通言語の参照:
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、持続可能な社会づくりの共通言語、これも参照して事業を推進。
海外への展開:
オーストラリアのビクトリア州にて、1994年から茶産地育成事業(新産地事業)を展開。ここで生産された茶葉は、オーストラリアやアメリカ向けの製品の原料などとして使用。
「茶産地育成事業」の2つの取り組み
1.既存産地での“契約栽培”(1970年代~)
各地の茶農家との間で、ティーバッグなどのリーフ(茶葉)製品や「お~いお茶」などの飲料製品に使用する茶葉を生産していただき、それらの茶葉を全量買い取りするという契約です。
2.茶畑づくりから始める“新産地事業”(2001年~)
地元の事業者などが主体となって、自治体等と協力しながら耕作放棄地などを大規模な茶園へ造成することをサポートするとともに、当社から茶葉の生産に関する技術やノウハウを全面的に提供し、生産された「お~いお茶」専用茶葉などの茶葉を全量買い取りする事業です。
<新産地事業展開地区>