”むぎ茶殻のリサイクル技術” プラスチック製緩衝材の代替となる緩衝材を開発

「健康ミネラルむぎ茶」などの生産時に排出する“むぎ茶殻”のリサイクル技術を確立

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、むぎ茶飲料の製造時に排出する“むぎ茶殻”を、含水のまま常温保存して輸送・工業製品に配合する技術「むぎ茶殻リサイクルシステム」を2018年10月に確立しました。この技術をもとに、湯まわり設備メーカーの株式会社ノーリツ(社長:國井総一郎 本社:兵庫県神戸市、以下ノーリツ)と共同で、古紙製緩衝材の原料の一部としてむぎ茶殻を活用した、むぎ茶殻リサイクル製品第1号の軽量・高強度の緩衝材「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)を開発しました。


「健康ミネラルむぎ茶」と「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)

近年、環境問題などからプラスチックの代替として紙を再利用した工業製品に注目が集まっています。「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)は、古紙使用量の低減や軽量化した給湯器用緩衝材を目指して、当社とノーリツが共同開発しました。従来の古紙製緩衝材の原料である古紙パルプの一部を“むぎ茶殻”に代替することで、古紙パルプの使用量を約20%削減するだけでなく、緩衝材の重量を約7%軽減しています。なお、「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)1組あたり「健康ミネラルむぎ茶」650mlペットボトル約20本分(※1)の“むぎ茶殻”を配合しています。

当社は「伊藤園グループ環境方針」のもと、ペットボトルの軽量化や100%リサイクルペットボトルの採用など、環境保全に貢献する取り組みを行っています。なかでも「茶殻リサイクルシステム」(※2)は、「お~いお茶」など日本茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”を工業製品の原材料に一部使用する独自のリサイクルとして、これまでに約100種類の茶殻リサイクル製品を開発しています。この技術を応用した「むぎ茶殻リサイクルシステム」は、「健康ミネラルむぎ茶」などむぎ茶飲料の生産時に排出する“むぎ茶殻”(2018年度排出量は約26,500トン)の有効利用化を実現したものです。

今回、当社の「茶殻リサイクルシステム」を代表とした環境活動のコンセプト「付加価値製品を開発する」という想いと、厳しい品質評価技術を有するノーリツの「きれいな地球を次の世代へ」という想いが合致することで、環境にやさしい古紙製緩衝材を更に進化させた「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)の共同開発に至りました。今後とも、環境製品の研究開発を積極的に取り組み、本業を通じた社会貢献活動の輪をより一層広げてまいります。

 

▼「むぎ茶殻リサイクルシステム」
当社の「健康ミネラルむぎ茶」は、2017年ごろより、夏場だけでなく年間を通じて水分・ミネラル(※3)補給に好適な飲料として生産が増加しており、製造過程において多くの“むぎ茶殻”が排出されています。

“むぎ茶殻”は、これまでも飼料や肥料としてリサイクルを行ってきましたが、製造過程で排出する“むぎ茶殻”の水分含有率と温度は高く、また日本茶の茶殻よりも腐敗しやすいという特性があります。そのため、工業製品の原材料に使用するためには、含水のまま常温保存して輸送する技術の開発が必要でした。

そこで、お茶のリーディングカンパニーとして年々排出量が増加する“むぎ茶殻”も、日本茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”と同様に有効利用できるよう技術開発に取り組み、水分を含んだ状態の“むぎ茶殻”の腐敗を抑え、常温保存して輸送する技術「むぎ茶殻リサイクルシステム」を、2018年10月に確立。“むぎ茶殻”に含まれる粘性を活用した第1号のむぎ茶殻リサイクル製品「むぎ茶殻配合緩衝材」の開発に至りました。

なお、「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)は、ノーリツのガス給湯器の輸送梱包材として、9月より使用を開始します。

(※1)1組(上下に2個)あたり使用する「むぎ茶殻配合緩衝材」(給湯器用)の平均重量より算出。
(※2)2010年に確立した当社独自のリサイクルシステムです。この技術により、茶殻を畳や建材、樹脂製品など工業製品の原材料に一部使用した茶殻リサイクル製品を、これまで約100種類開発しています。
(※3)本製品におけるミネラルとは、リン・マンガン・ナトリウムのことです。