株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、株式会社イムラ封筒(社長:井村優 本社:大阪市中央区 以下 イムラ社)ならびに溝端紙工印刷株式会社(社長:溝端繁樹 本社:和歌山県かつらぎ町 以下 溝端社)と共同で、茶殻をアップサイクルした「茶殻入り紙製マスクケース」を開発しました。
「茶殻入り紙製マスクケース」は、当社の独自技術「茶殻リサイクルシステム」により開発した「茶殻紙」を、イムラ社の封筒、溝端社の箸袋、それぞれの製袋技術をいかしてマスクケース化したもので、カテキンをはじめとする緑茶成分由来の抗菌・消臭効果(※)を備え、お茶の香りを感じていただけます。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、飛沫予防の有効性から、現在はマスクを日常的に着用することがマナーとして認知され、消費者の暮らしの必需品となっています。一方で、発汗等によるマスク内の臭いや衛生面への懸念、食事の際の一時保管など、マスク着用に関する課題も表面化しつつあります。
そこで当社は、withコロナのマスク着用に対するそれらの課題を解決し、消費者が抱える「安心・安全」への思いにお応えすべく、抗菌・消臭効果と爽やかなお茶の香りを備え、ディスポーザブルで手軽にご利用いただける「茶殻入り紙製マスクケース」を開発しました。
「茶殻入り紙製マスクケース」は9月下旬以降順次、イムラ社と溝端社の両社を通じて、飲食店、ホテル、医療機関などに向けて販売する予定で、消費者の皆様は各施設にてご利用いただけるようになる見込みです。
当社は今後も、“お茶をお客様の身近な製品へ活用する”という「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトのもと、茶殻が持つ抗菌・消臭効果などを利用した身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、「茶畑から茶殻まで」の一貫した環境にやさしい経営を行うことで、本業を通じた社会貢献活動の輪をより一層広げてまいります。
<「茶殻入り紙製マスクケース」の展開について>
1.展開時期 9月下旬以降順次
2.展開場所 ホテル・飲食店・医療関連施設・小売店舗 など
3.製品
(イムラ社製)サイズ:207×125mm
茶殻を用いた情報保護封筒を作る技術で、中身が透けない特長があります
(溝端社製)サイズ:168×130mm
和紙のような風合いを表現しており、ぬくもりが感じられる素材です
(※)抗菌・消臭効果について
【試験方法】
(抗菌試験)
「JIS L1902:2002 菌液吸収法」に従って茶殻紙0.4gをオートクレーブで滅菌後、約105CFU/mlになるように1/20ニュートリエント培地で調製した菌液0.2mlを不織布に接種し、37℃・18時間で保存後、菌数を測定。
(消臭試験)
ガスバック中に茶殻紙0.5gおよびガス3Lを注入し、2時間後のガス濃度を検知管を用いて測定し下記の式により減少率(%)を換算。
(抗菌試験)
菌名 |
菌数(CFU/mL) <100:検出せず | |||
---|---|---|---|---|
0時間 | 18時間後 | |||
標準白色布 | 茶殻無配合紙 | 茶殻紙 | ||
MRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) |
1.2×105 | 3.7×107 | 2.8×107 | 9.7×104 |
大腸菌 | 1.3×105 | 4.8×108 | 2.2×108 | 1.0×105 |
緑膿菌 | 1.0×105 | 4.2×108 | 2.5×108 | <100 |
肺炎桿菌 | 1.1×105 | 2.9×108 | 2.2×108 | 1.6×105 |
サルモネラ菌 | 1.0×105 | 1.9×108 | 4.8×107 | 8.9×103 |
(消臭試験)
減少率(%)={(コントロールガス濃度―試料ガス濃度)/コントロールガス濃度}×100
減少率 | ||
---|---|---|
酢酸 | イソ吉草酸 | |
茶殻無配合紙 | 46% | 33% |
茶殻紙 | 71% | 56% |