株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、「お~いお茶」専用茶葉などを生産する「茶産地育成事業(新産地事業)」として7工場目となる伊藤園専用の「荒茶工場(※1)」の稼働を開始し、埼玉県入間地区における“新産地事業”を2022年の一番茶より本格始動します。
当社は、1976年より「茶産地育成事業」を通じて高品質な国産緑茶原料の安定調達や生産の効率化などに取り組んでおり、その展開総面積は2,207haとなりました(2021年4月時点)。このうち、茶畑づくりから始める“新産地事業”は2001年より取り組みを開始しており、今回埼玉県が加わることで展開地区は7県9地区に拡大します。
埼玉県入間地区では狭山茶の生産を維持・発展させるため、首都圏アグリファーム株式会社(代表:水本達也 本社:埼玉県入間市)と当社が協働して、行政の支援のもと農地中間管理機構などを活用し、これまでに50haの農地集約や未耕作地の解消を行ってきました。そして今回、“新産地事業”において7工場目となる伊藤園専用荒茶工場の稼働開始を機に、本格的に展開を開始します。この荒茶工場で使用する燃料は全て都市ガスで、生産ラインには排熱を再利用する機構が取り付けられており、国内で最もCO2排出量の少ない荒茶工場です(※2)。
今後は、埼玉県入間地区の展開面積では100ha規模を目指すとともに、事業拡大に伴う伊藤園専用の第二荒茶工場建設も視野に検討を開始しています。当社は、引き続き生産者の雇用維持と茶業界の発展を目指して「茶産地育成事業」を積極的に推進し、引き続き農業に深く関わる企業として安心・安全で高品質な緑茶原料の安定調達と日本農業の課題解決の両立に取り組んでまいります。
(※1)茶畑で摘んだ生葉を新鮮なうちに「蒸す・揉む・乾燥させる」という一次加工を施す工場
(※2)一般的な荒茶工場と比べて生産量当たりのCO2排出量が57%削減(㈱寺田製作所調べ)
◆「茶産地育成事業」について
伊藤園は、農業に深く関わる企業として安心・安全で高品質な緑茶原料の安定調達と日本農業の課題解決の両立に取組むため、1976年に「茶産地育成事業」を立ち上げました。この取り組みとして、各地の茶農家から茶葉を全量買い取りする“契約栽培”と、耕作放棄地などを大規模な茶園に造成して茶葉を生産する“新産地事業”を推進しています。
“契約栽培”(1976年4月~)
各地の茶農家との間で、リーフ(茶葉・ティーバッグ)製品や「お~いお茶」などの飲料製品に使用する茶葉を生産していただき、それらを伊藤園が全量買い取りする取り組みです。
“新産地事業”(2001年1月~)
地元の事業者などが主体となって、自治体等と協力しながら耕作放棄地などを大規模な茶園へ造成することをサポートするとともに、当社から茶葉の生産に関する技術やノウハウを全面的に提供し、生産された「お~いお茶」専用茶葉などを全量買い取りする取り組みです。
◆伊藤園専用の荒茶工場で生産する茶葉について
伊藤園では、茶畑で摘採した生葉を新鮮なうちに「蒸す・揉む・乾燥させる」という一次加工「荒茶加工」に工夫を加えて生産する、緑茶飲料専用の茶葉を開発しています。
当社は、おいしいお茶を世の中に送り出したいという強い想いを持ち続け、積み重ねてきた技術や経験を活かして、茶畑から製品づくりを行っています。緑茶飲料専用の茶葉は、おいしいお茶づくりのために原料の生産から製造、そしてお客様の手元にお届けするまでのすべてに関わっている当社ならではの取り組みのひとつです。