伊藤園グループ 新・中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)策定に関するお知らせ

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、2022年6月に公表した「伊藤園グループ 中長期経営計画」(以下、前・中期経営計画)を見直し、2025年4月期から2029年4月期までの5年間を対象とする新たな「伊藤園グループ 中期経営計画」(以下、新・中期経営計画)を策定しました。

伊藤園グループは、これまで国内事業基盤の盤石化や主力ブランドへの資本集中により、収益性の改善や海外売上比率の向上を実現してきました。しかし、前・中期経営計画の策定から2年が経過した現在、物価上昇や為替変動、世界情勢の不安定化、市場環境の変化など、当初の予測を上回る経営環境の変化が起きています。そこで伊藤園グループは、創業60周年を迎える節目を機に、「世界のティーカンパニー」へ向けた通過地点として、2040年度(2041年4月期)のありたい姿(将来像)を設定し、新たに5年間の「新・中期経営計画」を策定しました。

「新・中期経営計画」では、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現するため、2040年度の将来像実現に向けて、より迅速な事業展開を推進します。前・中期経営計画で掲げた「5つの重点戦略」の基本的な枠組みは変えずに、内容を更新および拡充しました。特に、「お~いお茶のグローバル化」「国内既存事業の盤石化」「新たな事業の創出」においては、成長分野に経営資源を集中し、環境変化に適応した事業体制への変革を図り、持続的な成長と収益性の向上を目指します。また、「経営基盤の強化」「サステナビリティ経営の推進」においては、事業戦略の実現に必要な経営基盤を強化し、サステナビリティと経営を統合することで、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立させます。

伊藤園グループは、“お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現”を使命として、「健康創造企業」をグループのミッションとして掲げています。新たに策定した「新・中期経営計画」に基づき、今後も「心身の健康」「社会の健康」「地球環境の健康」の価値創造に取組み、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

伊藤園グループの将来像(ありたい姿)

2040年頃の海外では、人口の増加、経済発展、そして健康意識の高まりにより、お茶の消費量は拡大することが予想されます。一方、国内では少子高齢化による人口減少、人手不足、地方過疎化により、お茶の消費量や生産量も減少する見込みです。このような環境変化が予測される中で、伊藤園グループは「世界のティーカンパニー」の実現を目指すために、以下の長期的な対応方針を定めました。

長期の対応方針

<海外事業>
・海外市場の拡大を最大の成長機会と位置づけ、当社の強みであるお茶に経営資源を集中する。

<国内事業>
・人口減少に伴う市場や顧客の変化に対応するため、事業体制を効率化し、収益性の向上を追求する。
また、消費志向の多様化に合わせて、お茶と健康を軸に新たな事業を創出する。

<調達・生産・研究開発>
・茶産地の支援を通じて原料の安定調達を図り、技術革新により高付加価値な製品を供給する。

<経営基盤>
・グローバル化や経営環境の変化に対応するため、機能別組織への移行や多様な人材の育成を推進する。

長期の対応方針のもと、2040年頃には世界100ヵ国以上の地域において、お茶を中心とした事業活動によりお客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)のポイント

「新・中期経営計画」では、長期的な将来像の実現に向けて、より迅速な事業展開を推進します。特に「お~いお茶」については、「世界のティーカンパニー」に向けた第2ステージへの本格的な突入と認識し、グループ全体で連携して世界各国でのグローバルブランド化を加速させ、販売国を60ヵ国以上に拡大していきます。また、国内既存事業においては、最初の2年間で環境変化に対応した構造改革を実施し、収益性を重視した事業体制を構築することで、連結営業利益率を8%以上にすることを目指します。

5つの重点戦略

「新・中期経営計画」では、前・中期経営計画で掲げた5つの重点戦略の基本的な枠組みは変えずに、重点戦略の根底に「サステナビリティ経営の推進」を位置付けて内容を更新および拡充し、中期目標の達成を目指します。

「お~いお茶」のグローバル化
・グローバルマーケティングの展開
・ グローバル生販体制の構築
・ 茶産地育成事業の進化

国内既存事業の盤石化
・ 国内事業体制の再構築
・ サプライチェーンの最適化
・ マーケティングの選択と集中

新たな事業の創出
・ 茶・健康を軸にした新しい価値の提供
・ 資本提携、M&Aによる事業領域の拡大

経営基盤の強化
・ 伊藤園グループのガバナンス、シナジー強化
・ 人的資本経営、DX、リスクマネジメントの推進

サステナビリティ経営の推進
・事業戦略と結合したマテリアリティへの対応により、100年企業に向けた持続的な成長と価値創造

財務方針

収益性の重視、利益とシェアの向上、持続的な成長を目指すための資本効率重視の経営方針に基づき、2029年4月期の定量目標を設定しています。財務の健全性を最優先に考えながら安定したキャッシュフローを確保し、株主還元を安定的に行いながら将来の成長へ向けた投資を行い、持続的な成長を目指します。また中期的には、原価高騰などの予測される課題に対応しながら、「お~いお茶」ブランドを含む製品全般の強化や事業体制の再構築を通じて、5年間で営業利益率を8%以上に引き上げることを目指します。

 

詳細資料
【別紙】新・中期経営計画 説明資料(2025年4月期~2029年4月期)