「伊藤園グループ人権
方針」の策定にあたり

2019年度に実施したステークホルダーダイアログ(有識者懇談会)

「国連ビジネスと人権に関する指導原則」(以下、「指導原則」)に基づいて「伊藤園グループ人権方針」を策定するにあたり、2020年3月に人権領域の有識者とのステークホルダーダイアログを実施しました。

有識者一覧

  • 佐藤 暁子 氏

    ことのは総合法律事務所弁護士

  • 松岡 秀紀 氏

    一般財団法人 アジア・太平洋人権情報センター
    特任研究員

※所属・役職名について 佐藤氏は2020年3月現在の名称です。/松岡氏は2020年3月現在の名称です。

実施目的:

一.「指導原則」に基づく「伊藤園グループ人権方針案」に関するレビュー
一.「指導原則」と国内の人権意識に関するギャップの理解と社内浸透へのヒント

社外有識者:

ことのは総合法律事務所 弁護士 佐藤 暁子氏
一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター 特任研究員 松岡 秀紀氏

社内参加者:

取締役副会長(内部統制、コンプライアンス、生産本部、物流本部担当)橋本 俊治
専務執行役員 管理本部長 平田 篤
管理本部副本部長 兼 人事部長 松重 淳介
原料部長 池側 康彦
CSR/ESG推進部長 三浦 悟
能力開発部副部長 菊地 洋子

※社内参加者の所属・役職名は2020年3月現在の名称です。

ステークホルダーダイアログでは以下のようなご意見を頂きました。

  • 『人権リスクは「ゼロ」にはできない』という前提だからこそ、企業が人権リスクの予防、軽減、救済にどのように取り組むかという「プロセス」が重視されています。人権デュー・ディリジェンスのプロセスとしての人権リスクアセスメント、事業活動に関わるありとあらゆる人権リスクの洗い出しを目的とするものです。リスクは常に変化するため、それを踏まえて人権方針を改定することも考えられます。
  • 強制労働・児童労働の廃止、適切な労働環境の整備、公正な労働条件の確保、建設的な労使対話の実施といった課題は、どのセクターにも共通し、かつ、お茶・コーヒーセクターではグローバルで特に指摘されている人権課題であり、方針の中で明示することは自社の人権リスクへの姿勢を社内外に共有するために望ましいです。
  • ステークホルダーとの協働において、社外の関係者だけでなく、従業員は非常に重要なステークホルダーです。
  • 多くの日本企業では人権問題=差別の問題と捉えがちですが、それだけではありません。例えば、ハラスメント、長時間労働、技能実習生の問題なども人権に関わる問題です。また、人権リスクを調査される際に、人権リスクの可能性があるのはサプライチェーンや調達部門だけではないという点に注意が必要です。リスクはあらゆるところに存在するとの前提で、固定観念を捨ててステークホルダー側のリスクを洗い出す必要があります。
  • 社内浸透においては、「人権」を「仕事」の文脈に落とし込むことが重要です。御社の「お客様第一主義」との経営理念と社是に即して「お客様を大切にすること=お客様の人権を大切にすること」であり、そこから自分の仕事を振り返り、仕事の質を高めることで、お客様からの「信頼を得る」ことに繋がると捉えて頂けるとよろしいのではないでしょうか。

「伊藤園グループ人権方針」の策定にあたり、今回のステークホルダーダイアログを通じて、ステークホルダーの視点から人権リスクを理解することの重要性や、常に人権の取組みを進化させる必要性を認識し、人権方針に反映しました。また、人権の取組みは私たちの仕事や業務とかけ離れたものではなく、仕事の質や働きがいを高め、お客様とのより良い関係構築に繋がることを改めて認識し、今後の活動や取組みにいかしていきます。