TCFD・TNFD提言に沿った情報開示
基本的な考え方
伊藤園グループは、自然由来の製品を主として事業活動を営む企業として、人類共有の地球環境を守り、次世代に継承することが最重要課題の一つであると考えています。2023年には地球温暖化から地球沸騰化時代に入ったと言われるほど、世界的な気温上昇と異常気象に見舞われ、熱波や干ばつ、洪水などの自然災害が発生し、生物多様性がこれまでにない速さで失われつつあります。私たちが将来にわたり、自然の恵みを享受していくためには、気候変動への対応と自然資本/生物多様性の保全と回復への取組みが必須の課題であると考えています。
伊藤園グループでは、事業活動に影響を与える重要なリスクと機会を特定し、対応策の検討と取組みの強化を推進するため、2021年4月期に主力製品の原料である国内緑茶原料を対象に気候変動シナリオ分析に着手し、2022年4月期は伊藤園のバリューチェーン、2023年4月期はリーフ・ドリンク関連事業に関わるグループ会社、2024年4月期は自社および国内の外部委託物流倉庫へと、分析対象範囲を拡大してきました。
また、気候変動と自然資本/生物多様性の課題は密接に関わり合っているため、統合的なアプローチが必要であると考えています。そのため、2025年4月期にグループで初めてとなる自然関連情報開示では、 TNFD v1.0を参照し、当社グループ事業の重要性を鑑みて優先度付けを行い、緑茶事業に関する自然資本/生物多様性の観点からの分析を実施しました。気候変動の対応策と自然資本/生物多様性の対応策はトレードオフの関係になる場合もあるため、分析した結果を統合的に判断して適切に対応を進めていきます。
今後も、気候変動と自然資本/生物多様性の関連性の視点から、リスクと機会に関わる分析を進めるとともに、包括的な対応策に取組むことにより、伊藤園グループの持続可能性と社会のサステナビリティの向上につなげていきます。
なお、伊藤園グループは2022年4月にTCFD提言、2024年4月にはTNFD提言に賛同を表明し、「TNFD フォーラム」※にも参画しています。TCFD・TNFDともに、今後さらなる対象範囲の拡充と分析内容の深化を図っていきます。
- ※TNFDフォーラムとは、TNFDの理念に賛同する企業・機関・団体等によって構成される、TNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体
TCFD・TNFDへの対応 サマリー
気候変動と自然資本/生物多様性は互いに独立した概念ではなく、密接に関連しているため、包括的な対応が必要であると考えています。そのため、共通内容の「ガバナンス」「リスクとインパクトの管理」は統合的に、「戦略」「指標と目標」はそれぞれの内容と対応を個別に記載しています。
項目 | 内容と対応 |
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ガバナンス | TCFD(気候変動)・TNFD(自然資本/生物多様性)共通
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戦略 | TCFD(気候変動)
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TNFD(自然資本/生物多様性)
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リスクと インパクト の管理 | TCFD(気候変動)・TNFD(自然資本/生物多様性)共通
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指標と目標 | TCFD(気候変動)
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TNFD(自然資本/生物多様性)
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