茶殻 段ボール

レンゴー株式会社 様

環境に優しい、
お茶の香りの段ボール

リサイクル事業として伊藤園と共同開発

当社の段ボールは今まで主に古紙を原料としていましたが、2007年からリサイクル関連事業のレベルアップを模索しはじめ、取引企業各社にお声がけをしていました。その際に伊藤園の茶殻リサイクルの取組みを知り「茶殻入り段ボール」の生産を始めました。製品を試作する中で、茶殻を乾燥させるとエネルギーを消費してCO2を排出し、環境負荷がかかってしまうため、水を含んだ状態で当社に持ち込みたいとの話をいただきました。当社には水を含んだ状態の茶殻を粉砕する技術はなかったのですが、伊藤園が開発した技術を用いれば紙に使える程度に粉砕が可能であることが分かりました。茶殻をどこまで細かく粉砕するか、という微妙なさじ加減については、当社が検討を重ねました。

強度変わらず、エコな段ボールに

段ボールは3層構造になっており、ライナ(表と裏の紙)の間に中しん(波形に加工された紙)で構成され、ライナが6割、中しんが4割という割合になっています。中しんは外から見えないため、この部分に茶殻を混ぜ込んで「茶殻入り段ボール」はできています。茶殻を混ぜ込むことで、その分他の原料を減らすことができ、強度も以前とほとんど変わりません。 使用後は通常の段ボールと同じように古紙としてリサイクルすることができます。

お茶の香りで社内外から驚きの声

大手量販店のお客様からは「段ボールが積まれているバックヤードで、ほのかにお茶の香りがする」と好評です。一方、社内では当初、今まで古紙以外の原料を使っていなかったので、それ以外の原料を混ぜることによって品質が低下してしまうのではと懸念されていたため、新しい材料を用いることに対して反対する声がありました。実際に試作してみると強度は十分にあり、原料も低減でき、環境に配慮した良い製品だということで、納得して製造するようになりました。製造時の工場内は、お茶の良い香りが立ち、茶殻を使用することによる想定外の癒し効果も感じています。

さらに付加価値の高い段ボールを

「茶殻入り段ボール」のスペックは、十分なものができたので、開発当初から変えていません。一方、段ボールのデザインや包装技術については改良を続けています。最近は業界全体で、段ボールを単に商品を運ぶためだけの箱ではなく、見せる段ボールにしようという取組みが進められています。例えば、店舗で段ボールを手でベリッと開くだけでそのまま陳列ができる、開封・陳列の負担を軽減する製品です。当社でも開発に力を入れており、2020年に包装関係の賞を受賞しました。単なる箱ではなく、販売促進などの付加価値をつけた製品をこれからも生み出していきたいです。また、当社は段ボール以外にもフィルム、セロファンやその他機能材製品も手がけています。プラスチック関連の製品においても伊藤園と協力して取り組んでいきたいと考えています。

HP

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